介護対応型住宅
高齢化社会と、これからのバリアフリー
65歳以上人口の割合の推移をみると、昭和25年(1950年)以降年を追って上昇し、60年(1985年)には10.3%と初めて10%を超えました。その後、毎年0.5ポイント程度ずつ上昇し、平成15年には19%と、総人口のおよそ5人に1人の割合となっています。
65歳以上人口の割合は今後も上昇を続け、平成27年(2015年)には総人口の26%(3277万人)と、およそ4人に1人が65歳以上になると見込まれています。
老年人口指数(15-64歳人口に対する65歳以上人口の比率)をみると、昭和25年(1950年)の8.3から、45年(1970年)は10.2、平成2年(1990年)は17.3、12年(2000年)は25.5と上昇し、15年(2003年)は28.4となっています。老年人口指数は今後も上昇を続け、平成37年(2025年)には48.0と、生産年齢人口(15〜64歳人口)のほぼ2人で1人の高齢者を支えることになると見込まれています。
今後、高齢化が進めば元気とされるシルバーも加齢に伴い寝たきりにならなくても、運動能力や反射神経に衰えが出てきます。高齢社会の住環境を改善していく上で、住まいを安全で快適な空間、そして家庭内事故のない、シルバーの将来を考え、万一改造する場合改造しやすい間取りや寸法に前もってしておくという「配慮設計」が必要です。
<シルバーの特性と空間への配慮>
| 高齢者の心身機能の特徴 | 配慮する内容 | |
| 老化の現象 | ||
| 身体機能 |
・骨格・筋力が低下し、身体的に弱くなり、身体寸法も全体的に小さくなる上、膝・肘関節の曲げ伸ばしも低下する。 ・足腰が弱くなり、立ったり座ったりが困難になる。歩幅が狭くなり、足を上げる力が衰えるため、すり足になり、つまずきやすくなる。 ・骨がもろくなる為、骨折しやすく、回復にも時間がかかる。 ・腕や指の力が衰えてくるため、押す・握る力などが弱くなる。 ・動作がゆっくりになり、とっさに危険を上手く避けられない。 ・持久力が衰え、疲れやすくなる。 |
・全体的に安全性に対する確認を心掛ける。 ・手の届く範囲が狭くなる為、収納棚の高さ、機器の操作部の位置に注意する。 ・動作上の必要寸法や出入り口の寸法、介護の為のスペースについても検討する。 ・将来、車イスを使用することも考慮する。 ・手すりを設置するか、もしくは将来設置できるようにしておく。 ・床に段差を設けないようにする。 ・滑りにくく、つまずきにくい床や階段の仕上げとする。 ・階段の踏面・蹴上げ寸法への配慮と踊り場を設けるなどを配慮する。 ・足元灯、又はそれに代わる機能を設置する。 ・水栓、スイッチ、把手などは操作性が良く、軽い力で操作できるものにする。 ・障害物・突起物による危険が少ないように考慮する。 ・階段の踊り場や台所などの作業空間に一休みでる工夫をする。 |
| 生理機能 | ・生理機能が総合的に低下する。 ・中枢神経が衰え、睡眠時間が概して短く、目が覚めやすくなる。 ・前立腺肥大等により排尿回数が増え、夜間の尿回数が増える。 ・動脈硬化等により、脳卒中や心臓発作等起こしやすくなる。 |
・冷暖房、換気、日照、通風に配慮する。 ・寝室の防音性能、遮光性能の向上を図る。 ・トイレを寝室近くに配慮するとともに、夜間の使用を配慮する。 ・緊急通報装置を設置する。 ・トイレ・浴室などの狭い空間では、引き戸や外開き戸にするか、非常時の解錠ができるようにする。 ・各部屋の温度差をなくす。 |
| 生活構造 |
・余暇時間が増え、住宅内で過ごす時間が多くなる。 ・新しい知識を得ようとする意欲や気力が衰える為、行動範囲が狭くなり交友関係も狭くなりがちである。 |
・日照、通風、換気、眺望などに配慮し、快適な環境条件にする。 ・老人室にも接客スペース、設備を設ける事も望ましい。 ・屋外へ出やすい住宅構造にする。 |
| 感覚機能 |
・視力が衰え、小文字や暗い所ではものが見えにくくなる。一方では、眩しさを感じやすくなる。又、黄色が見えにくくなるなど色を正しく判断できなくなる。 ・聴力が衰え、小さい音が聞こえにくくなる。特に高い音ほど聞こえにくくなる。 ・平衡感覚の低下により、転んだり、立ち眩みが多くなる。 ・臭覚が衰え、臭いを感じにくくなる。 ・味覚が変化し、食べ物の嗜好が変わる。脂っこいものより、淡泊なもの、味の濃いものを好むようになる。 ・皮膚感覚の衰えにより、温冷熱の感覚が鈍くなり、急激な温度変化への適応性が乏しくなる。 |
・照度を十分確保すると共に、住宅内の明るさを均一にする。 ・照明方法を工夫し、輝度の高い光源が直接目に入らないようにする。 ・明るく、暖かみのある色彩計画にする。 ・テレビ等の音を大きくするので、遮音性能を向上させる。 ・警報音や玄関ベルの音は大きくし、低周波の音とする。 ・つまずいたり、滑ったりする原因を無くす。 ・緊急通報装置を設置する。 ・緊急時の解錠ができるようにする。 ・暖房計画に配慮する。 ・各部屋の温度差が内容にし、均一な室温が得られるようにする。 |
| 心理機能 |
・過去への愛着が強く、物を捨てられなくなる傾向がみうけられる。 ・記憶力、判断力に低下が見られ、新しい環境、新しいものへの適応が難しくなる。 |
・収納スペースをできるだけ確保する。 ・機械類の操作は複雑なものを避け、わかりやすいものにする。 |
身体障害者配慮
生まれつき体の不自由な方や、不慮の事故により身体に障害の生じた方のために、障害の度合いに応じたプランをあらゆる角度から考え、より快適な空間で毎日をお過ごし頂けるお手伝いをします。